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はじめまして、『くらしのパン』へようこそ!
パンをつくるのは、ほかのものづくりと、ちょっと違う気がします。大手のベーカリーや中堅のリテイルベーカリー、避暑地のパン屋さんや地方の町の天然酵母のパン屋さん、5時過ぎの朝の空気の中に見えてくる超高層ビルと帰りには夕陽に映える尖塔、そんな街中のレストラン向けにパンを作るパン屋さん、いろいろな所におじゃまして、パン屋さんの数ほどパンづくりがあると知りました。どこのパン屋さんも、「きもち」がパンになっています。パンをつくるのは大変だけれどほんとうに楽しいし、「たのしいきもち」をそのまま「カタチ」にするから、いいパンができるのだと思います。
グルメだけでない、そんなパンについて考えてみようと思いました。ときどき思うのは、ひとはみんな、ひとりぼっちで、ポツン、ポツン、とうかぶ島のようなものということ。でもこの島はひろい海でつながっていて、海はふるさとであったり、友人であったり、家族であったり、信念や信仰であったりします。パンも、この海になれたらいいなぁと思います。
パンとデザイン
デザインとは人と人、人とモノ、モノとモノとのよい関係を築くことだと思います。それも単によい関係ということではなく、ギリギリせめぎ合う中で、ともに共存しながらお互いに変わっていくこと、共進化というのでしょうか。でもこれでは頭でっかちでわかりにくいものです。パンをつくったり考えたりすることで、パンを仲立ちにして、人と人、人とモノ、モノとモノとの関係を具体的に感じることができます。「つくる」ことを通して、その一面が見えてくる。「つくる」ことを通して、互いの関係が変わっていく。人と人、物と物、人と物がいい関係になっていく。頭で考えなくても、自然と互いに変わっていく。パンづくりやパンについて考えることと良いデザインとはこんな関係にあると思っています。